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対立なき議論:増大する医療費の真実 【FRNブログ記事翻訳】
対立なき議論:増大する医療費の真実
Beyond the Polarized Debate: Why Does Healthcare Cost So Much?
Published December 10, 2012 | By John Robbins
投稿日 2012年12月10日 ジョン・ロビンス著 高橋奈津子訳
(訳文投稿日 2013年3月)
医療費に関する議論は極端に二極化する傾向にあります。しかし政府の果たすべき役割が何であれ、ゆるがない真実が一つあります。それは、医療費がひたすら上昇し続けているということ。事実、医療関連の支出は今やアメリカのGDPの20%近くになっています。
医療費の上昇は今のところ制御がきかない状況です。個々人や家族だけでなく、経済全体がその負担に喘いでいます。アメリカ大手自動車会社のジェネラル・モーターズ(GM)は従業員の医療費支出の負担があまりにも増大し、ウォーレン・バフェットに、「自動車会社もやっている健康保険と福利厚生の会社」と揶揄されたほどです。GMは毎年、フォードやそのほかの自動車会社と同様に、製造した車両一台当たり1,500ドル以上の医療費を支払っています。日本のホンダはたった150ドルです。
スターバックスの会長/CEOのハワード・シュルツによると、従業員のために支払う医療保険の支出がコーヒーの原価以上だとか。
昔は違っていました。今でこそ医療費は年間2.5兆ドルですが、1950年ころのアメリカ人はたった84億ドル(現在の価値で700億ドル)しか使っていませんでした。この増加には唖然とさせられます。インフレの影響を除くと、私たちは1950年に1年間で使っていた医療費を、10日間で使っていることになります。
でも、私たちは昔よりも健康になりましたよね?
もし結果として国民の健康状態が大幅に改善したのであれば、急増した医療費もおそらく正当化できることでしょう。ですが、実際のところ私たちの健康は現実に悪化しています。2005年のジョン・ホプキンス大学の研究によると、「殆どの健康指数について、アメリカ人の状態は1960年以降比較的低下してきているが、向上したものは一つもない」そうです。
一人当たり医療費が他のどの国よりも高いにもかかわらず、アメリカは今や乳児死亡率では悲惨にも世界37位、平均余命では38位となっています。2010年の、WHO世界保健機構が実施した世界の国々の総合的な健康状態に関する調査では、アメリカは37位に終わりました。私たちは急速に世界史上もっとも、肥満で病気もちの工業国となりつつあります。
どうしたらいいのか?
私たちが悲惨な状況にあるのは間違いありませんが、どうしたら健康を劇的に向上させ、なおかつ医療費を下げることができるかを、私たちは明確に知っているわけですから、尚更悲劇的といえます。
複数の研究結果が、この国の医療費の50~70パーセントは予防可能であり、健康になるために多くの人が実践できる唯一の最も効果的な一歩は、健康的な食事をとることを示しています。
もし、私たちが過食と不健康な食品を絶ち、代わりに栄養価の高い食品やガンを予防する機能を持つ食品を食べるようになれば、もっと手ごろで、持続可能で、効果的な医療制度を手に入れることができるでしょう。健康になるために、私たちは保険会社や医者ではなく、自分自身の選択に依存するようになるでしょう。
典型的なアメリカ人の食事は、ガン、心臓病、糖尿病患者、そして肥満人口を壊滅的なほどに増大させています。この食事は、私たちを病気にし、私たちの家族、会社、そして政府を破産させています。もしあなたが心臓病、ガン、そして糖尿病を促進するための食事を計画するのであれば、今日のアメリカで私たちの多くが食べているもの以上に最適なものは見つからないことでしょう。