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大豆に関する噂の真相 4 大豆と癌 その関連とは 【FRNブログ記事翻訳】

大豆に関する噂の真相 4 大豆と癌 その関連とは 【FRNブログ記事翻訳】

大豆と癌 その関連とは

ここで重要な問題は、大豆の消費と人体に発症する癌の関連性である。大豆を有罪にしようとする人々の主張とは裏腹に、大豆はガンを促進しないばかりか、その危険性を削減する能力を示唆する強力な証拠が存在する。

例えば、沖縄の高齢者らはこれまで何度も世界で最も健康で長寿であることを示してきた。これは日本の厚生労働相が25年に渡り実施した著名な研究「Okinawa Centenarian Study」においてはっきりと証明された。

この研究を実施した研究者らは、沖縄の高齢者らの食事および健康状態を分析し、世界中の他の地域の高齢者と比較した。彼らの結論は、沖縄の人々の乳癌、前立腺癌、卵巣癌、および腎臓癌などホルモン依存の癌のリスクが非常に低い理由は、大豆の消費にあるというものである。北アメリカに比べ、彼らの乳癌および前立腺癌の発症率は80%少なく、卵巣癌および腎臓癌については半分以下であった。

この驚異的なまでに低い癌リスクの低さは、同研究によれば、沖縄県民が大豆由来のイソフラボンを非常に多く摂取しているためである。最も大豆を消費する沖縄県民で、世界で最も低い癌の罹患率が確認されている。

その他の研究が、大豆の消費と癌リスクの減少の関連を確認してきた。The Japan Public Health Center Studyは最も多くの大豆製品を食べる都道府県において、乳癌の発症率が最も低いことを発見した。British Medical Journal Lancetに発表された最近の研究では、最も多くのフラボノイド(多くが大豆食品由来のイソフラボン)を食べた女性では、フラボノイドの消費が少ない女性に比べ、乳癌の発症率が有意に低いことが証明された。

おそらく、最も雄弁に語るのは、2003年にJournal of the National Cancer Instituteに発表された大規模な研究で、同研究は大豆の摂取量が多い女性では、大豆の消費が少ない女性に比べ、54%乳癌の発症率が削減されたことを発見した。

反大豆キャンペーンでは、大豆で発がん率が上昇するということが繰り返し主張されている。しかしそうした運動は、権威あるHealth Professionals Follow-up Studyによる、豆乳を毎日摂取する男性において前立腺癌が70%削減されたという発見と矛盾している。

Kaayla DanielはFallonとEnigの弟子で、The Whole Soy Story:  The Dark Side of America's Favorite Health Foodと題された、有名な反大豆書籍の著者である。この本はこれを出版した小さな本屋を所有するFallonにより編集されており、Danielは「大豆はほぼ確実に甲状腺がんの増加の少なくとも一部の原因であり、これは大豆イソフラボン(大豆に含まれる植物性エストロゲンの一種)が甲状腺腫瘍を引き起こすためである」としている。しかしこれはCancer Prevention Institute of Californiaが実施したBay Area Thyroid Cancer Studyにおける発見とは異なる。これは実に対照的な発見である。その発見とは、大豆食品、全粒穀類、ナッツ、および種子から多くの植物性エストロゲンを摂取する人々は、極めて甲状腺がんの発症率が低いというものである。最も多くの大豆を食べた女性は、最も大豆の摂取が少ない女性に比べ、甲状腺がんの発症率がほぼ半分であった。

大豆を食べすぎると、ヨウ素が不足し、甲状腺がはれ上がり、機能が低下し、甲状腺機能低下症の症状が現れ(例えば無気力や鬱など)、甲状腺がんの発症率が上昇する恐れがあることは事実である。とは言え、これに対する解答は「大豆を避けること」ではない。ヨウ素を十分に摂取するようにすべきなのである。十分なヨウ素を摂取している人では、大豆が甲状腺の問題を引き起こすことはない。

アメリカでは、ヨウ素の不足は極めて稀である。これは、一般的な塩にヨウ素が添加されているためで、小さじ四分の一のヨウ素添加塩で、一日に必要な量を補うことが可能である。ヨウ素添加塩を摂取していない人にとっては、信頼できるミネラル源を確保する必要がある。植物食品中のヨウ素の含有量は、それらが栽培された土壌に含まれる量に依存する。海草類は信頼できるミネラル源である。また、多くのマルチビタミンのサプリメントにはヨウ素が含まれている。

その一方で、Kaayla Danielの書籍は、健康に関心の高い多くの人々に、大豆が甲状腺の問題および甲状腺がんだけでなく、その他の多くの癌の発症率を高めるという誤解をもたらした。その結果として、多くの人々が大豆を摂取することを恐れるようになった。

健康研究家のSyd Baumelは、奇跡の食品としての大豆が売り出されていることに、最初に挑み、多くの大豆を食べるほどに健康になれるという考え方を疑問視した一人である。しかし彼がDanielの主張について調べた時、彼が感じたのは落胆以外の何物でもなかった。彼はDanielの本が「誤った事例を立証するために読者を一貫して騙し、操作しており... この本のどこを読んでも、虚構、虚偽、間違い、嘘、そしてその他の誤った説得のためのトリックで汚されている」と言った。Baumelは以下の例を挙げた。

「Danielは、非常に高い容量のイソフラボンのサプリメントを摂取した179人の更年期後の女性が子宮内膜増殖症を発症した5年越しの臨床試験を引用している。偽薬を処方された197名の女性では発症しなかった。「子宮内膜増殖症はガンの前兆である」とDanielは警告し、ガン専門医との面談が必要となる可能性を示唆している。彼女は発症した全てが比較的良性であり、定型型の子宮内膜増殖症であったことには触れなかった。同研究は、この状態は子宮内膜癌の発症率を2%上昇させるとしているが、これは一般女性の1~2%の発症率とほとんど変わらない。

1997年、American Institute for Cancer Researchはその国際的な支部であるWorld Cancer Research Fundと共に、重要な国際レポートFood, Nutrition and the Prevention of Cancer: A Global Perspectiveを発行した。同レポートは4500件以上の研究を分析し、その作成には世界保健機構、国際連合食糧農業機関、国際がん研究機関、そして米国国立がん研究所からの参加者も含め、120名以上の寄稿者および査読審査員らが参加した。2002年には、アメリカがん研究会の会長であるRiva Bitrumが「諸研究が一貫して、一日あたり一人分の大豆食品を摂ることで、発がん率を減少させることができるということを示していることは、心強い」と発言している。

もちろん、そのような強力な生物学的特性を有するいかなる食品も、たとえ健康的なものであれ、一部の状況において一部の人々に有害な副作用をもたらすことは避けられない。総体的に見て大豆の消費は発がん率を減少させるが、ER陽性乳癌の腫瘍がある女性に対する効果には疑問がある。これらの腫瘍はエストロゲンにより誘発される。つまり、大豆中のイソフラボンの弱いエストロゲン作用に触発される可能性はあるのか?この可能性を示唆するいくつかの証拠があるが、大豆の消費がエストロゲンの代謝を良い方向に変えるため、腫瘍の発達を促す可能性は低いという証拠もまた存在する。健康的な女性に関して言えば、アメリカがん研究会は「2~3食分の大豆食品を毎日摂取することは、ほぼ完全な植物性の食生活の一環として望ましいものである」としている。

しかし大豆のサプリメントとなると話は違ってくる。大豆の錠剤および粉末に含まれるイソフラボン(通常ダイゼインおよびゲニスティン)は食事を通して摂取できる量を遥かに上回っている。そうした大量摂取の影響に関する研究は非常に少ない。とは言え、イソフラボンの摂取が人体に悪い影響を与えることを示す確たる証拠はなく、またそうした大量摂取が安全であるという明確な証拠もまた存在しない。大豆タンパク分離物およびサプリメントの製造業者の一部は、一日当たり100グラムの大豆たんぱくの摂取を推奨している(大豆バーガー7~8個に相当)。私は、より多くのことがわかるまで、濃縮された大豆サプリメントを完全に避けるのが安全であると考えている。